| 1997 初めてのカラフトマス 湖や川でのルアーフィッシングをこの年から楽しんではいたものの、それまで釣り上げたのはI湖でのアメマスだけであった。 魚はルアーフィッシングではマンガのようにそんなに釣れるものではない、そう思っていた7月の終わり頃、仕事を通じて知り合ったO君からこんな話を聞かされた。 これから秋にかけて、河口で、ルアーを使ってサケ・マスが釣れますよ。お盆の頃は特にマスは最高ですよ。 この話を聞いても簡単には信じられなかった。第一、サケマスをルアーの届くようなところで釣ってはいけない、河口での釣りは違反だ、と思いこんでいたからだ。 しかし、昨年は何本釣っただの、引きがすごいだのと聞いているうちに、話に引き込まれていった。そんなビッグフィッシュとの格闘は確かに魅力的である。 その一週間後、今度は道具を持ってきてもらった。ロッドは湖や川でのものよりは丈夫なものであった。まあ、それはおおよそ予想できた。しかし、魚を魅了しその口にかける「ルアー」を見せられたときにはびっくりさせられた。そのルアーにはタコベイトなるものがくっついていたのである。 このタコベイトがユラユラと漂うように動き、サケマスが食らいつくという説明を受けながら、どのようにこれを作ればいいのか、どんな材料がいいのか、を必至に考えていた。まだ海にもいっていないのに、まだサケマスを見てもいないのに、この釣りに、このルアーにはまってしまったのである。 それから2,3日のうちにロッドとルアーの材料を買いに走った。もう釣れると聞いていたお盆だったからだ。ロッドはそんなに高くないものを選んだ。ルアーはとにかく見せてもらったものと全く同じものを作ろうということで、数軒の釣具屋をまわった。とにかくやってみようという気持ちだけだった。 話を聞いていたM川河口に午後4時頃到着した。人が多いと聞いてはいたが、こんなにもなっているとは思いもしなかった。つい数日前まではだれもいなかったM川河口だが、すごい人だかりで、もともと狭い河口ではあるが入る隙間が全くないほどだった。 一人分の隙間をようやく見つけて、そこで例のルアーを投げてみた。確かにこのルアーのようにタコベイトをつけた人が多かった。 向こうの方では水しぶきを上げてマスが釣られているのが見えた。一呼吸おくたびにだれかが釣り上げているという状態であった。ロッドは弓なりに曲がり、マスの重量感・手応えが、釣れていないこちらにもひしひしと伝わってくる。 ふと水の中を見ると、黒いものがすうっと泳いでいくのが見えた。よく見ると、それはマスの群であった。統率のとれたきれいな群れ。 よし、これはオレにもつれるかもしれん。群れの鼻先にルアーをゆったりと流して・・・。 きた!! グッと竿先が水面の方へと曲がり、マスの重さが両腕に伝わってきた。そしてジャンプ! こんな引きは初めてだった。興奮しながらもそのマスをじりじりと引き寄せると結構大きめのオス。 狭い場所なのですぐに引き上げようと思ったが、ここで大事なことに気がついた。ラインは細いにもかかわらず、自分の足下はコンクリートの高い場所だったため、マスを引き上げることができないのだ。長い柄のランディングネットがないと無理なのだ。そうか、と気がついたときにはマスの口からルアーがはずれ、バレてしまった。針かかりも弱かったらしい。 二つのことを反省しながら、すこし場所を移動して再びチャレンジすることにした。ネットを持っている人の隣に行き、それを借りようという姑息な作戦だ。 30分ぐらいたったあと、また群れが私の近くにやってきた! 周りの人も戦闘態勢。ようし、こい・・・、 きた!! 再び私のルアーにマスが食らいついた。今度はしっかりとアワセを行い、きちんとハリをマスの口にかけてやった。ジャンプはするものの、さっきみたいにはずれやしない。よし、頭を下げてネットを借りよう、と思い隣を見ると、さっきまでいたおじさんが消えている・・・。 やばい・・・、と思ったその時、私に話をしてくれたり道具を見せてくれたO君が後ろに立っていて、ネットの準備をしながら大丈夫ですよと声をかけてくれたのだった。見事O君のネットの中にマスが収まったのであった。 初めて釣り上げたという興奮と、運良く現れてくれたO君への感謝の気持ちと、きちんと下調べもせずいきなり挑戦した自分の無謀さをあらためて実感しつつ、この釣りはもうやめられないと思ったのであった。 |

カラフトマスとしては小振りだが、釣り人生を大きく変える一匹となった