1982 ヤマメとの出会い


中2になった夏、父に初めてヤマメ釣りに行かせてもらった。I川の支流の、山奥の小さい沢であったが、ここは良く釣れるということだった。釣りはほとんど初めてといった自分だったが、見よう見まねでヤマメ釣りにチャレンジした。

エサはイタドリ虫というガの幼虫で、あまり気持ちの良いものではない。朝早くに起こされたのもあって、釣りに来たことを少しばかり後悔していた。

父は次々と釣り上げていくのに対し、私はうまく釣り上げることができない。それでもようやく数匹釣り上げていくと、比較的大きめのにたどり着いた。
ここには小さなヤマメが群れていたようで、目を凝らすと泳いでいるのを見ることができた。

この淵で、生まれて初めて釣りにはアワセが必要だということを手取足取り教えてもらった。アワセをしないと魚の口にきちんとハリがかりしない、するっと抜けてしまうということである。

確かに、この淵にくるまでほとんど釣れなかったのであるが、父にこのアワセがヤマメ釣りには特に重要だということを教えてもらってからは釣果は少し良くなった。
とはいっても、ヤマメのアワセは非常に難しいものだった。道糸につけた目印がフッと止まったときに手首を少しかえす感じで、というように教えてもらったが、理屈と実際はなかなかうまくいくはずもなかった。

この淵で20匹ほど釣り上げてから、父の後ろ姿を追っていった。この日は結局ヤマメ100匹ちょっととオショロコマ1匹を釣り上げることができた。釣りって意外と楽しいものなんだなあと思った記憶が今でも残っている。

1997年、I川でのヤマメ釣り。